・リンクを貼る際に気をつけるべきこと
・Google推奨の正しいリンク(rel)属性の使い方
・E-A-Tを高めSEOでプラスになる発リンク
ユーザーを誘導したり関連情報を表示したりと、外部リンクはブログ記事を書く上でなくてはならない存在です。
しかし、リンクの貼り方(発リンク)を一歩間違えれば、検索エンジンからの評価を下げることにもなりかねません。
この記事ではGoogleの公式情報をもとにして、SEOでプラスになる正しい外部リンクの貼り方(発リンク)をご紹介します。
リンクとは

「リンク」は主に別ページや同ページの別の個所へ移動する際に用いられるもので、移動先の情報を記載した要素です。「ハイパーリンク」とも呼ばれます。
リンク(aタグ)の構造
私たちブロガーが主に使うリンクは「aタグ」と呼ばれるHTMLのタグの一種です。基本的にhref属性とセットで使われます。よく見る”a href=”というやつですね。
そして、リンクのHTMLは主に以下の4つの要素で構成されています。

・リンク先(URL)
移動先のページのURLです。
・ターゲット属性(target)
リンク先を開く場所を指定する。主にリンク先を新しいタブで開く際に”target=_blank”で使われます。
・リンクの属性(rel属性)
リンク先とどのような関係性かを検索エンジンに伝えます。
・アンカーテキスト
リンクを貼る文字です。ユーザーだけでなく、検索エンジンのコンテンツ理解も促進します。人にもbotにも分かりやすいテキストにしましょう。
リンクを貼る際の注意点
リンクはただ貼ればいいというものではなく、ある程度ルールのようなものが定まっています。SEOで評価されるため、ユーザーが使いやすいように、以下の項目に注意してリンクを貼りましょう。
- 外部リンク(別サイトへのリンク)は別タブで開く
- 適切なrel属性を入力する
- アンカーテキストはユーザーに分かりやすいものを
- アンカーテキストの色は青系統にする
- 隠しリンク(ユーザーに見えないリンク)はペナルティの危険性あり
- リンク切れ(リンク先が見つからない)はご法度
順位操作を目的としたスパム的な発リンクはもちろんNGですが、意図せず起こるリンク切れもSEOにおいてはご法度です。
Broken Link Checkerなどを駆使して、サイト内にリンク切れがないか定期的にチェックするようにしましょう。
また、自作自演のリンク(自演リンク)の場合は、自然さを装うようなリンクの貼り方も必要になってきます。今回は紹介しないので、気になる方はこちらをご覧ください。

適切なrel属性を使用する

上記で紹介した通り、aタグにはrel属性を付与して、リンク先との関係性を示すことができます。しかし、これはユーザーが見るようなものではなく、どちらかというと検索エンジンに向けたものになります。
このrel属性をうまく使い分けることで、クローラー(Googleのbot)がリンク先との関係を把握して、ページ内容を正しく評価することにも繋がります。
覚えておくべきrel属性
ブログで使うrel属性は主に、セキュリティ対策のnoopenerとnoreferrerの2つと、Googleにリンク先との関係性を伝えるnofollow,sponsored,ugcの3つです。(参考:Googleガイドライン-Googleに外部リンクの関係性を伝える)

noopener
セキュリティ対策のrel属性です。別タブで開く時に用いる「target=”_blank”」にセキュリティ上の脆弱性があるため、それをカバーする目的で使います。
現在ではChromeやFirefoxなどのブラウザ側で「target=”_blank”が付いている場合はnoopenerを付与する」という処理を行ってくれますが、IEやSafariなどのブラウザではまだ対応していません。(そもそもIEは近いうちに使えなくなるし…)
対応していないブラウザのためにも、外部サイトを別タブで開く際には使うようにしましょう。
なお、WordPressでは「新しいタブで開く」をオンにすると、noopenerとnoreferrerは自動で付与されます。
noreferrer
同じくセキュリティ対策のrel属性です。リンク先に参照元のURLがバレないようにします。
普通の外部リンクであれば問題ないのですが、アフィリエイトリンクにnoreferrerを付与すると、ASPがどのサイトから成果発生したか分からなくなる可能性があります。そのため、アフィリエイトリンクにはnoreferrerを付けない方が無難です。
noopenerと同じく、WordPressで「新しいタブで開く」を設定すると自動付与されるので注意してください。
nofollow
Googleに対して「このリンク先をクロールしないで」とヒントを与える属性です。主にアフィリエイトや不正なページへのリンクに使用します。
※現在nofollowは命令ではなくヒントとして参考にされています
見せる必要のないページに無駄なクロールリソースを使わなくて済むなど、正しく使用すればGoogleもサイト側にもメリットがあります。
注意点として、「ページ評価を渡したくないから外部リンクは全てnofollow」という考えはやめましょう。
不正・怪しいページを参考にしていることになるため、不自然なうえマイナス評価を受ける可能性すらあります。(参考:外部リンクには漏れなく”nofollow”とか、いい加減やめませんか)
また、リンク評価が「流れ出る」という考え方は、現在は否定されている傾向にあります。
まとめると、nofollowは信頼できないページやアフィリエイトのリンクに付与するものです。
sponsored, ugc
2年ほど前に作られた属性で、役割はnofollowと同じです。
sponsored:アフィリエイトや広告
ugc:ユーザー投稿やコメントに書かれた不正なリンク
nofollowを使っても問題はありませんが、sponsoredやugcを使用した方がクローラーにリンクの意味が伝わりやすいので、できればこの二つを使用しましょう。Googleもnofollowとの使い分けるを推奨しています。
ちなみに、「sponsoredのリンクが多いとSEOで上がらない」とアフィリエイトリンクであることを隠す人がいますが、それはオススメしません。最悪の場合、有料リンクを隠すスパム行為だと判断される可能性もあります。
※参考:Google品質ガイドライン「有料リンク」
適切なリンクであればsponsoredの付いたリンクを30個40個貼っても順位は上がります(実体験)。
Googleのジョン・ミューラー氏も「アフィリエイトをGoogleは嫌っていない」と明言しているので、適切なアフィリエイトリンクなら隠すことなくsponsoredを使用しましょう。
可能であれば、アフィリエイトリンクにはrel = sponsoredを使用してください。アフィリエイトリンクは悪いものじゃないし、あなたのサイトを収益化することは問題ありません。
Googleジョンミューラー氏のツイートより抜粋(翻訳)
グーグルはそれで大丈夫です。それらを非表示にする必要はありません。できるだけ適切な種類のリンクを使用してください。
目的別にrel属性を使い分ける
それでは以上のことをまとめて、どういった場合にどのrel属性を使うかをまとめます。
・内部リンク
必要なし
・普通の外部リンク
noopenerとnoreferrer。WordPressの場合は「新しいタブで開く」をオンにすればOK。
・怪しい、不正なサイトへの外部リンク
nofollow。そもそもリンクしない方が良いかも。
・アフィリエイト・広告のリンク
noopenerとsponsored。noreferrerは付けない方が無難。
・ユーザー投稿、コメントに貼られたリンク
noopenerとugc。
アフィリエイトを除けばnofollowは基本的に使いません。nofollowは主に信頼できないリンク先へ付けるものです。人に何かを勧めるときに、信頼できないものを勧めませんよね?
また、検索順位を操作する目的で不適切なrel属性を設定するのはやめましょう。マイナス評価をされるなど裏目に出ることがあります。
rel属性を書き換える方法
ついでにWordPressでrel属性を書き換える方法を紹介します。知っているよという方は飛ばしてください。
- リンクを追加する
-
テキストにリンクを追加します。「新しいタブで開く」をオンにしていると後が楽です(rel=”noreferrer noopener”が自動で入ります)。
- HTML表示に切り替える
-
ブロックエディターの状態では編集できないので、「HTMLとして編集」をクリックしてコードの編集に切り替えましょう。
- 任意の属性を追加する
-
適切な属性を追加すれば終了です。(この場合は “sponsored noopener” ですね)
内容は維持されるので、書き終わった後はビジュアル編集に戻しても大丈夫です。
ちなみに、WordPressテーマの専用ブロックだと、右のサイドバーにrel属性を編集する項目があったりします。これは便利ですね。

SEO効果のある外部リンクの貼り方
被リンクがSEOに効果的であることは言うまでもないことですが、外部サイトへの発リンク(自サイトから送るリンク)も正しく使えば、E-A-Tを高めSEOに良い効果をもたらします。
“E-A-T”とは、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の3つの略称です。近年ではこのE-A-TがSEOにおいて重要視されており、SEOに携わる人がこぞってE-A-Tを高めようと試行錯誤しています。
E-A-Tとリンクの関係性

E-A-Tを構成する要素は多岐にわたります。著者の権威性(Authoritativeness)は一朝一夕でどうにかできるものではありませんが、情報の信頼性(Trustworthiness)は比較的簡単に対策できます。それが参考文献やソースです。
いちブロガーの意見には信頼性なんてありませんが、それが研究者の論文や専門家の意見に裏付けられたものなら?
「〇〇大学の研究によれば…」なんてワンフレーズがあるだけでも信頼度はかなり違いますよね。
E-A-Tは読者に対して”証明”するものであり、Googleも人間と同じような評価を下します。
つまり、読者に信頼してもらえるようにすること、参考文献へのリンクを貼り情報源をはっきりさせることが、E-A-Tの向上に繋がります。

情報の”透明性”を意識します
もちろん、リンクにnofollowは付けません
リンク先は厳選する
なら参考文献をたくさん載せよう! と思った方は少し待ってください。
情報源(リンク先)は厳選しましょう。低品質なコンテンツを参考にしても信頼性は全く稼げません。ある意味E-A-Tを借りるような行為なので、信頼できる情報源や専門家を後ろ盾にしましょう。
たとえば、科学的なことであれば研究論文、SEOのことであればGoogleの公式メディアといった感じで、その道のプロから情報を収集します。
ちなみに、論文はGoogle Scholarで無料で読むことができます。実際、ここから情報を集めてYMYL(医療系)で上位表示できた記事もあるので、結構効果はあると思います。
また、信頼できるメディアなら検索上位の競合でも問題ありません。
Googleに評価されているという点では、検索上位のページは高品質なコンテンツ(の可能性が高い)です。被リンクを渡すことにはなりますが、参考にした後発のページが追い抜くことはよくありますよ。
外部リンクの設置場所にも注意


参照元へのリンクを貼る場所にも注意が必要です。
たまに論文のようにページの最後にまとめて参照元を載せているサイトがありますが、あれはユーザーにとって不便でしかありません。(ひとつだけなら問題ないですが)
参照元のリンクはその情報の近くに貼るのがベストです。無理に同じ行や段落に詰め込む必要はありませんが、できれば同じ見出しの中に入れておくのが良いでしょう。
「え、そうなの?気になる」と思ったらすぐ参照元へ行ける、そんな場所に貼りましょう。
どうしても記事下に入れたいという場合は、論文やWikipediaと同じように「上付き」で番号を割り振り、リンクを貼りましょう。(こんな感じ[1]です)
その番号に参照元を記載している箇所へのリンク(ページ内リンク)を貼りましょう。
「貼る場所が分からない」という時は記事内容を見直してみてください。
参考にした部分とそうじゃない部分が分かれているはずです。それでも見つからない場合は、独自要素が全くないということなので、書き直した方が良いかもしれません。
ユーザーの離脱を気にしない
「外部リンクを貼るとユーザーが他のサイトへ行ってしまう」と思っていませんか?
実はリンク先が適切な関連コンテンツであれば、逆に読了率が上がるというデータもあります。これはユーザーが参照情報と比較しながら記事を読み進めるからです。
また、仮に離脱されたとしても、ユーザーが何らかのイベントを起こしたなら、それはSEOに悪い影響を与える離脱ではありません。
Googleはユーザーの検索行動を監視しています。もしリンク先でユーザーが満足して検索を終えたなら、それはあなたのページのプラス評価にも繋がります。



SXO(ユーザー体験最適化)なんて呼ばれています
SEOで上位を狙うなら「ユーザーを満足させること」に注力しましょう。ユーザーを満足させる記事を作っていけば、SEOの評価も読了率も必ず上がるので安心してください。
SEO効果のある外部リンクの貼り方-まとめ
以上をまとめます。
- 信頼できる情報源を明記することがE-A-T対策になる
- 参照するなら権威性のあるメディアや論文がベスト
- 参照元へのリンクはユーザーがクリックしやすいように
- ページの離脱率は意外と上がらない
- ユーザーが満足した上での離脱ならSEOでプラスになる
まとめ
2021年夏のリンクスパムアップデートでもあったように、検索エンジンはリンクをしっかりと監視しようとしています。誤ったリンクの使い方でマイナス評価を受けないように注意しましょう。
また、情報源をしっかりと開示して、参照元のE-A-Tの力を借りることも大切です。SEOで評価される正しい外部リンクの使い方をしましょう。