記事を公開して検索結果からユーザーを獲得する。この一連の流れはSEOの基本ですが、検索結果に表示されるにはまずインデックスされる必要があります。
当然、インデックスは早いほど良いわけですが、クローラーに任せているといつになるかは分かりません。
そこで今回は、インデックスを爆速にするツール「Indexing API」について紹介します。ただし、ブログの場合は本来の用途から外れた使い方になるため、導入は自己責任でお願いします。
Indexing APIとは

Indexing APIとは、Googleが公式で提供している「ページの追加や更新・削除をGoogleに直接知らせるAPI」です。
※API:異なるソフトウェアやサービスを繋ぐシステム
サイトはこのIndexing APIを使用することでリアルタイムに更新情報を伝え、Googleはその情報を基にクロールを行います。
本来の使用対象は一部のページのみ
Indexing APIは非常に便利なツールですが、対象となるページはごく一部に限られます。Googleの公式ドキュメントには以下のように記載されています。
現在、Indexing API は、JobPosting または BroadcastEvent が VideoObject に埋め込まれたページをクロールするためにのみ使用できます。
引用元:Indexing API の使用-Google Developers
つまり、求人情報・ライブ動画の構造化データが埋め込まれたページのみが対象であり、一般的なページ(ブログ記事など)には対応していないということになります。
しかし、実際のところは対象外のページでも機能しているというのが現状です。
対象外ページでの使用はペナルティ対象になるのか
「普通のコンテンツに使用した場合にペナルティを受けるのか」という質問に対して、Googleのジョン・ミューラー氏はTwitterで以下のように回答しています。
Indexing APIは、求人情報やライブストリームの構造化データのみに対応しています。それ以外の場合は、サイトマップを使用してください。(翻訳)
引用元:Twitter – @JohnMu
他の情報からも「ペナルティを与える」という明確な回答は見られず、機能しない・対応していないといった回答ばかりでした。
そもそもガイドラインに記載がないことを鑑みても、ペナルティ対象にはならないと考えて良いでしょう。
しかし、ペナルティの対象ではないとしても、ブログ記事への使用はGoogleの意図しないところにあります。多少のリスクがあることは理解しておいてください。
いずれは対象範囲が拡大するかも
Googleはインデックスのリクエストにおいて、サイトマップよりIndexing APIを推奨しています。
サイトマップではなく Indexing API を使用することをおすすめします。これは、サイトマップを更新して Google に送信するよりも、Indexing API を使用した方が、Googlebot がすぐにページをクロールするためです。
引用元:Google検索セントラル
このことからも、いずれはIndexing APIの対象は拡大されることも予想できます。
ちなみに、サイトマップはサイト全体の構造を把握するために使用されるので、Indexing APIが普及してもサイトマップが不要になることはないでしょう。
Indexing APIとは-まとめ
Indexing APIについて、以下のことだけは覚えておきましょう。
- Indexing APIとは、 ページの更新・削除をGoogleに伝えるAPI
- 求人情報・ライブ動画の構造化データを埋め込んだページが対象
- 対象外ページでも使用は可能
- 対象外ページへの使用がペナルティ対象となるかは不明(信頼できる情報なし)
- 対象外ページへの使用はリスクがあるため自己責任で

本当の”最終手段”です
Indexing APIはブログでも効果があるのか?


皆さんもこむずかしい理屈より効果のほどが気になるはず。そこで、実際に使用した結果や口コミなどを紹介したいと思います。
実際にIndexing APIを使用した例
公開から半月経過しても検出 – インデックス未登録(クロール待ち)のままの記事2ページを対象に、Indexing APIを打っていきます。
条件
・Indexing APIの送信は11/7 14:02
・送信は2ページ同時に行う
・送信前にページを一度更新する(更新日を新しくする)
・対象となる構造化データはなし(Articleのみ)
送信直前のページのステータス




結果
・両ページとも同日の14:06にはクロールを確認。
・その後「クロール済み-インデックス未登録」を経て、5時間後にはインデックス登録に。




結果は送信からクロールまでおよそ4分という、恐るべき早さを見せつけてくれました。
その後も何度か試したところ、クロールされない場合もありました。”命令”ではなく”リクエスト”という位置づけなのでしょう。
ちなみに、最近更新されていないページのクロールされないことが多い印象です。更新日が古いページはクロールの優先度が落ちる、という情報もあるため、API使用前に一度更新しておくのが良いかもしれません。
使用者の口コミ
私の検証結果だけでは信用性が無いため、他の方の口コミなどもご紹介します。
海外で少しバズっている記事では、「構造化データを含まない普通のページでも、平均で10分以内にクロールされた」という検証結果が紹介されています。


Indexing APIの効果-まとめ
以上より、当ブログではIndexing APIはブログ記事でも機能すると結論付けています。
- “現状は”ブログ記事でも機能する
- 検証の結果、API送信後からわずか4分でクロールされた
- ページの更新日は新しい方が良いかも
- インデックス未登録を解決したとの口コミあり
- 成功率は高いが、絶対に効果があるとは限らない
また、Search Consoleのインデックス登録リクエストが機能していない現在の状況では、Indexing APIは「検出-インデックス未登録」に対処できる唯一の手段とも言えます。


WordPressサイトへのIndexing APIの導入方法
それでは、Indexing APIの導入方法を解説してきます。
Indexing APIをWordPressサイトに導入するまでには、以下の3つのプラットフォームを使用します。(途中まではGoogle公式の導入手順と同じです)
- Google Cloud Platform
Indexing API使用のためのサービスアカウント作成 - Google Search Console
サービスアカウントをユーザーとして追加する - プラグイン「Instant Indexing」
Indexing APIの送信
※Google Cloud Platform(GPC):Googleが使っているテクノロジーやインフラを利用できるサービス群
なお、この記事の解説はWordPressの利用を前提とした導入方法です。はてなブログなど他のCMSをご利用の方は、こちらの記事が参考になります。(途中までは同じです)
GoogleのIndexing APIを使って、サイト情報を更新を通知する
それでは解説していきます。
慣れない作業が多く大変だと思いますが、極力分かりやすく解説していくので頑張って付いてきてください。
1. Google Cloud Platformでサービスアカウントを登録
まずはGoogle Cloud Platformを使って、Indexing APIを使用するための認証情報(サービスアカウント)登録をしていきます。
※「無料トライアル」への入会や課金は必要ありません
新規プロジェクトを作成する
最初にGoogle Cloud Platformを開きます。(Googleアカウントによるログインが必要です)
ページが開いたら「プロジェクトを作成」をクリックしましょう。


プロジェクトの名前などを設定します。
入力が完了して作成をクリックすると、入力ミスがなくても一度だけ「項目を確認してください」という注意が表示されるので、再度クリックしてください。


プロジェクトが作成されたら、画面に従ってクリックしていきます。
“① プロジェクトを確認” のステップでは「次へ」をクリック。


次の “② APIを有効にする” では「有効にする」をクリックします。


画面下に「Indexing APIが有効になりました」という小さいポップアップが表示されれば完了です。
サービスアカウントの作成
続いて、サーチコンソールとの連携に必要な「サービスアカウント」を作成していきます。
左上のメニューボタン > 「IAMと管理」 > 「サービスアカウント」からサービスアカウントの管理ページへ移動します。


ページを移動したら、上部にある「+サービスアカウントを作成」をクリックします。


作成画面に移ったら、アカウント名などを入力していきます。基本的には自分が分かりやすいもので大丈夫です。
なお、この時に設定されたサービスアカウントのメールアドレスは後ほど使用します。(コピーしておくと後で楽です)


続けて、アクセス権の設定を行っていきます。ロールの項目を「オーナー」にしましょう。


最後のユーザー権限については、入力の必要はありません(自分しか使わないので)。
そのまま完了をクリックしましょう。


サービスアカウントの作成は以上です。
APIキーの設定
最後にAPIキーを取得していきます。
先ほど作成したサービスアカウントの右にある「操作」の3点リーダーをクリック。「鍵を管理」を選択します。


APIキー(鍵)の管理画面へ移動したら、「鍵を追加」から「新しい鍵を作成」をクリックします。


ポップアップが表示され「キーのタイプ」を確認されます。推奨の「JSON」を選択して「作成」をクリックしましょう。


作成した段階で、APIキーが記載されたJSONファイルがダウンロードされます。後ほど使用するので、しっかりと保管しておいてください。
Google Cloud Platformを使用した作業は以上です。



今後のためにもサイトをブックマークしておきましょう
2. Search Consoleでサービスアカウントを追加
次はGoogle Search Consoleとの連携をしていきます。
※Search ConsoleのUI変更により、ウェブマスターセントラルを使用する必要が無くなりました(2022年追記)
まずはGoogle Search Consoleを開き、サイドバーの「設定」 > 「ユーザーと権限」へ移動します※。
※プロパティが複数ある場合はAPIを使用するサイトのプロパティを開いてから


ユーザー一覧が表示されたら、右上にある person_addユーザーを追加 をクリックします。


ポップアップが表示されたら、サービスアカウントをユーザーとして追加していきます。
メールアドレスにはサービスアカウントのアドレスを入力、権限はプルダウンから「オーナー」を選択して、「追加」をクリックしましょう。


ユーザー一覧画面へと戻り、サービスアカウントが「オーナー」として追加されていればOKです。


Search Consoleを使った作業はここまでとなります。
3. プラグイン「Instant Indexing」の導入と設定
最後に、Indexing APIを送信するためのプラグイン「Instant Indexing for Google」を導入しましょう。
インストールと有効化
プラグインの「新規追加」で”Instant Indexing for Google”を検索し、インストールと有効化をします。


初期設定
続いてプラグインの初期設定を行っていきます。
管理画面のサイドバーに追加された「Rank Math」の「Instant Indexing」をクリックして設定ページへ移動します。


「Google API Settings」のタブを開き設定ページへ移動します。


設定するのは以下の2項目。
・Google JSON Key
この項目でAPIキーを設定します。
「ファイルを選択」をクリックして、Google Cloud Platformで入手したJSONファイル(APIキー)をアップロードしましょう。(白枠へのドラッグ&ドロップでも可)
成功すると、上の白枠にJSONファイルの中身が表示されます。
・Submit Post Types to Google
自動送信したいページを選択することができます。
Indexing APIを使いすぎるのも危険なので、チェックを全て外したままが無難です。



最後に変更を保存をクリックして設定完了
上の大きな白枠にJSONfファイルのテキストがずらっと表示されているはずです
Indexing APIの使い方
それでは「Instant Indexing for Google」を使ってIndexing APIを送信する方法を解説します。
APIの送信は「Console」タブから行えます(間違えて削除申請を送らないように注意してください)。


- インデックスを促進したいURLを入力(複数ある場合は改行して入力)
- Actionが「Google:Publish/update URL」になっていることを確認
※Remoteに入っていると削除要請をしてしまうので注意 - Send to APIをクリック



API送信前にページを一度更新しておくのもオススメ。
更新日を新しくしておくと、クロールされる確率が少し高くなるような気がします。


ページ下に”Success”と表示されれば完了です。
これですぐにクロールされると思います。ただし、クロールされてもページの品質次第ではインデックスされないこともあるので、そこは気をつけましょう。


まとめ
何度も言うようですが、求人情報などの構造化データが入っていないページはIndexing APIの対象外。インデックスされない時の”最終手段”だと思ってください。
小細工なしでも頻繁にクローラーが来てインデックスされる、お互いにそんなサイトを作っていきましょうね。
最後に、この記事の共有はしなくてもいいので、SNS等で “Indexing API” の効果や実例を共有してくれると嬉しいです。きっとインデックス未登録に悩む人にとって貴重な情報になると思います。