検索結果に表示されるメタディスクリプションは、クリック率に影響する要素だと言われています。にも関わらず「書かなくても良い」と主張する人も多くいます。
必要性がないと聞くと途端に面倒になってしまうのが人間の性。めんどくさいと感じながらも、不透明なリスクに怯えしぶしぶ書いている人も多いことでしょう。
そんなメタディスクリプションを書くことに疑問を覚えている方のために、この記事ではメタディスクリプションの扱い方や必要性について、現在の検索結果などを基に解説します。
メタディスクリプションとは
メタディスクリプションとは、ページの内容を説明するためのメタタグの一種です。検索結果に表示されるスニペットの “候補の1つ” として扱われます。
※スニペット:検索結果のタイトル下に表示される説明文

なお、スニペットに選ばれるのはメタディスクリプションだけではないので、タイトル下に表示された文章がメタディスクリプションとは限りません。何をスニペットとして表示するかは検索エンジン次第です。
メタディスクリプションの設定方法
メタディスクリプションは head タグ内に以下のような形で記載します。
<meta name="description" content="コンテンツの説明">
このタグの content=”” にページ内容を説明するテキストを入力します。
検索結果のスニペットには全角100文字前後しか表示されないため、全文を綺麗に表示したい場合は、80字以内を狙って書くのが無難です。(2022年時点ではPC・スマホ共に90~100字程度が多い)
なお、WordPressの場合はテーマ機能やSEOプラグインを使用して、メタディスクリプションを設定します。
反映されるまで時間がかかる
メタディスクリプションもコンテンツと同様に、クロールを経てから検索結果に反映されます。
※クロール:Googleのbotの巡回
そのため、ソースに記載されたメタディスクリプションと検索結果が異なる場合がありますが、クロールが来るまで気長に待ちましょう。
なお、検索結果にメタディスクリプションが反映されているかどうかは、”site: ページのURL” で検索することで確認できます。

メタディスクリプションが必須ではない理由
メタディスクリプションの現在の扱いを考えれば、メタディスクリプションはなくても(多くの場合)問題のない要素だと言えます。
その理由としては以下の5つが挙げられます。
記事を書く労力を少しでも減らすために、メタディスクリプションを書かないという選択肢を持っておくと良いでしょう。
SEOへの直接的影響はない
メタディスクリプションはSEOにおけるランキング要素ではありません。
Googleのジョン・ミューラー氏もウェブマスターセントラルにおいて、「ディスクリプションと構造化データは順位に影響するのか?」という質問に対して、以下のように回答しています。
Descriptions and structured data are not used for rankings, but may affect how a page appears in search results and how users respond to it.
ジョン・ミューラー氏の回答(ウェブマスターセントラル – 2020.5.29)
(ディスクリプションと構造化データは順位付けには使用しないが、検索結果におけるページの表示方法とユーザーの反応には影響を与えるだろう。)
また、Google検索セントラルからも同様の記述が見つかります。
And it’s worth noting that while accurate meta descriptions can improve clickthrough, they won’t affect your ranking within search results.
Improve snippets with a meta description makeover – Google検索セントラル
(また、正確なメタディスクリプションはクリック率を向上させますが、検索結果の順位には影響しないことも知っておきましょう。)
ちなみに、ユーザーのクリック率が間接的にSEOに影響する可能性はありますが、以下で解説することも踏まえると無視して良いレベルだと思います。(詳しくは後述)
表示されることが意外と少ない
スニペットに表示するテキストには優先度があり、メタディスクリプションは強調スニペットよりも優先度が低く設定されています。
「強調スニペット」とは、検索ワードに該当する部分をページ内から引用表示するスニペットのこと。キーワードが太字表示されるのが特徴ですね。

コンテンツ内にはキーワードを含む文章が多いため、強調スニペットが表示される確率はかなり高いです。一応、メタディスクリプションが強調スニペットで表示されるということもありますが、体感的にはあまり表示されません。
なお、0クリックサーチ強化のために、強調スニペットは今後も増え続けると思います。
あまり読まれない
昔の検索結果はタイトルとスニペットが並ぶ簡素なものだったため、それなりにクリック率向上に役立っていたことでしょう。
しかし、現在の検索結果はリッチリザルトが溢れています。サムネイル画像や強調スニペットなどの目立つ要素が増えたため、サッと見て直感的にページを選ぶ人が増えているのです。
※リッチリザルト:画像や文字に装飾を加えた検索結果表示

人間は目立つ色や大きなものから先に目を向けてしまう習性があるため、装飾がなく文字の小さいメタディスクリプションは後回しになります。そして、選択に時間をかけるほどストレスを感じるため、後から視界に入れるメタディスクリプションは読み飛ばされやすい要素だと言えるでしょう。
その上で、100字未満程度でしか表示されないことも考えれば、メタディスクリプションがじっくり読まれる機会は決して多くありません。
導入文(リード文)が代わりになる
メタディスクリプションがなく、強調スニペットなどにも引っ掛からなかった場合、スニペットにはコンテンツ冒頭の文章が表示されます。
つまり、冒頭に「~を解説します」といった感じの導入文を書いているなら、導入文がそのままメタディスクリプションにもなるということです。
それなら同じようなメタディスクリプションを書いても二度手間だな、と思ってしまいますよね。

そもそも導入文とメタディスクリプションの内容が丸被りしてる人が多いので
メタディスクリプションを書いた方が良いページ
ここまで「メタディスクリプションはなくてもいい」という話をしてきましたが、特定の状況下においては必要な要素です。
検索結果をできるだけ綺麗に表示したい方は、以下のようなページにだけでもメタディスクリプションを設定するのが良いでしょう。
タイトルから内容が分からないページ
少し変わったタイトルを付けた場合、メタディスクリプションが表示されないと内容が不明瞭な検索結果になりがちです。




そのため、タイトルと内容が一致しないページには、最低限の内容が分かるようにメタディスクリプションを設定しましょう。
もちろん、メタディスクリプションが必ず表示される保証はありませんが、トップページは高確率で表示されるので設定しておきましょう。(サイト名で検索する人が多いため)
- トップページ
- リンク集などの特殊なページ
メインコンテンツ冒頭に導入文がないページ
リッチリザルト表示とメタディスクリプションの両方が表示されなかった場合、スニペットにはコンテンツ冒頭のテキスト(リード文)が表示されます。
そのため、コンテンツの冒頭に導入文のような文章以外がある場合は、要領を得ないスニペットになる可能性があります。


↓


上記は極端な例ですが、メタディスクリプションを設定しておけば、このような崩れたスニペット表示を減らすことができます。
- 冒頭にリスト(箇条書き)がある
- 冒頭にaltタグを設定した画像がある
アダルトサイト
キーワードがアダルト(R18) である場合はリッチリザルトが機能しません。(強調スニペットを除く)
そのため、アダルトサイトは比較的メタディスクリプションが表示されやすいです。体感的には「強調スニペット+メタディスクリプション」の表示が多い傾向にあります。
アダルト界隈ではスニペット表示が崩れているサイトも特別多いので、メタディスクリプションを設定してスニペットを整えておくことで差別化にもなるでしょう。
まとめ
メタディスクリプションは書かなくてもSEOにおける評価が悪くなるわけではありません。その上、クリック率への貢献率も低いので、面倒くさい時は省略しても全然OKです!(私は省略しがちです)
ただし、検索結果のスニペットを整えたい・クリック率の悪化を防ぎたいという人は、以下のようなページにだけでも書いておくことをおすすめします。
- タイトルと内容が一致しないページ
- コンテンツ冒頭に文章以外のパーツを設置しているページ
- アダルトに該当するページ・サイト
メタディスクリプションを書く労力と報酬をはかりにかけて、臨機応変に対応しましょう。