中古ドメインを活用すればSEOで有利に立ち回ることができます。
しかし、中古ドメインにはハズレも多く、高額で購入したのに全く効果がない・ペナルティを受けていたなんてことも多くあります。
そこでこの記事では、中古ドメインを取得してアタリを引いた経験(とハズレを引いた経験)をもとに、中古ドメインの基礎知識や選び方を解説します。
中古ドメインとは?

中古ドメインとは、過去に運用されていたことのあるドメインです。
“中古” というと価値が落ちているようなイメージがありますが、中古ドメインには被リンクや評価が蓄積されているため、新規ドメインより価値があります。
そうして強くなったドメインを利用して上位表示を狙うのが、中古ドメインを使ったSEO施策です。
ペナルティを引き継ぐことも
多くの場合、中古ドメインはSEOに貢献してくれますが、SEOに悪影響を及ぼす中古ドメインも存在します。
過去に低品質なサイトで使用されていたドメインは、検索エンジンから低評価を受けています。そんなドメインを使えば、自分のサイトまでもが低評価を受けることになるでしょう。
また、最悪の場合ペナルティを引き継ぐということだってあります。
ペナルティに気づかず中古ドメインを使用していると、いつまで経っても記事が上位表示しなかったり、インデックスされないという事態に陥ることもあるでしょう。
知らずに使っていることもある
更新されなくなったドメインは、一定の期間を経てネットの海に放流されます。
業者の目に留まり中古ドメインとして販売されることもありますが、業者に買われなかったり売れ残ったりしたドメインは誰でも取得可能になります。
そのため、何も知らずに中古ドメインを取得してしまうというケースは珍しくありません。
前のサイトが良質なサイトであればラッキーで済みますが、スパムに使われていれば目も当てられない結果に…
新規ドメインを取得する際も、うっかり中古ドメインを取得しないように過去の経歴を洗い出しましょう。
中古ドメインの使い方
中古ドメインのメリットは、最初から被リンクが付いているというところにあります。
そのため、SEOで良いスタートダッシュが切りたい、強いドメインから自演リンクを貼りたい、といった場合に便利です。
具体例を挙げると、以下の2つの目的で使用できます。
- サテライトサイトに使う
- メインサイトのドーピングに使う
サテライトサイトに使う

サテライトサイトの目的は、自作自演のリンクでメインサイトへ強力なページランクを渡すことにあります。
しかし、自然な被リンクを獲得してサイトを強化、なんて時間のかかることはしていられません。
そこで登場するのが中古ドメイン。
中古ドメインを使えば強いページランクのサテライトサイトを作れるため、自演リンクの効果を大幅に上げることができます。
もちろん、中古ドメインさえ使えば良いサテライトサイトになるという訳ではありません。リンクを無効化されない程度に自然なサテライトサイトを作りましょう。

メインサイトのドーピングに使う

中古ドメインはメインサイトに使っても効果的です。強いドメインでSEOを始めれば、新規ドメインを使うよりも早く上位表示ができます。
しかし、中古ドメインの効果はいつまで続くか分かりません。
中古ドメインは最初のドーピングとして利用して、常に新しい被リンクを獲得していくことを心がけましょう。
中古ドメインの取得方法
中古ドメインを取得する方法は大きく分けて4つあります。
- ドロップキャッチ
- バックオーダー
- 現在の所有者から譲り受ける
- 業者から購入する
自分でドメインを取得できれば費用を抑えることができますが、ドメイン選定には深い知識が必要です。初心者の方は無難に業者から購入しましょう。
ドロップキャッチ

期限切れでフリーになったドメインを再取得することを、ドロップキャッチと言います。
ドロップキャッチは早い者勝ちなのでスピード勝負にはなりますが、成功すれば破格の安さで中古ドメインを取得できます。
期限切れのドメインはExpired Domainsから探せるので、ドメイン選定に自信のある方は一度チャレンジしてみてください。
バックオーダー

更新されなくなったドメインがレジストラから削除される前に、バックオーダー(予約)をするという選択肢もあります。
※レジストラ:ドメインを管理する機関
お金さえ出せば確実に入手できますが、他にも購入希望者がいた場合はオークションになることもあります。
現在の所有者から譲り受ける

ドメインを譲ってもらう場合は、自分で交渉をするか、GoDaddyのような仲介業者を利用するかの二択になります。
しかし、サイトを閉鎖する場合を除けば、快く譲ってくれる人なんてそうそういません。交渉にはそれなりのお金がかかることを覚悟しましょう。

特別なツテでもない限りは難しいと思います
業者から購入する


業者から購入するのが、中古ドメインの取得方法として最も一般的です。プロが事前にドメインを選定しているため、一番安全な取得方法といえるでしょう。
中古ドメインの販売業者は主に以下の二つ。悩んだ時は「中古ドメイン販売屋さん」がおすすめです。
- 中古ドメイン販売屋さん
- アクセス中古ドメイン
中古ドメイン販売屋さん


株式会社シンクラフトが運営する中古ドメイン販売サイト。「ラッコキーワード」などでもお馴染みのラッコWEBサービスの1つです。
中古ドメインの売買サイトとしては業界最大手。取り扱っているドメインの数も一番多いので、中古ドメインを探すならこのサイトから覗いてみましょう。
アクセス中古ドメイン


株式会社アクセスジャパンが運営する中古ドメイン販売サイト。
「中古ドメイン販売屋さん」に比べるとドメインの数は劣りますが、アウトレットセールやオークションが頻繁に開催されています。
提携レジストラである「ピュアドメイン」のサポートが微妙なので、私はあまり利用しませんが…
中古ドメインの選定方法
ドメインの選定は主にツールを使用して行います。
今回は無料で使用できるツールを紹介していますが、本格的な選定を行いたい場合は有料ツールの使用も検討してみてください。
運用履歴を確認する


ドメインの運用履歴を調べたい時は、Wayback Machineを利用しましょう。
Wayback Machineで確認できるのは、取得期間や過去のサイトのスクショなど。どんなサイトが運営されていたか雰囲気だけでも分かるため、ペナルティの有無を判断する足掛かりになりますよ。
詳しい使い方:Wayback Machineでペナルティドメインを見てみよう
スパムスコアを確認する
Mozはサイトの精査や競合調査などに使えるSEOツールです。
Mozには「Link Explorer」という被リンク調査機能があり、そこで計測される「スパムスコア」はペナルティの有無を判断する重要な指標となります。


ほとんどの機能は有料ですが、「Link Explorer」はアカウント登録をすれば無料で使用できますよ。
詳しい使い方:MOZのスパムスコアでペナルティチェックする
ブラックリストを確認する
aguseとは、怪しいサイトを調べるためのセキュリティチェックツールです。
このツールにドメインを入力すれば、ブラックリストに入っているかを一括でチェックできます。


スパムサイトに使われていたかどうかを判断する材料として利用しましょう。
商標登録されていないか確認する
商標登録されているドメインを再利用すると、トラブルに発展する可能性があります。
最悪のケースとして、裁判までもつれこんだ事例も…
参考:ドメイン名と商標権との接触問題について
商標名は特許庁のサイトから簡単に調べられるので、面倒くさがらずにチェックしてましょう。
悪評がないかを確認する
ドメイン名や過去のサイト名を検索すれば情報が見つかることがあります。
スパムサイトとして悪評が立っていないかどうか、一度検索して調べてみましょう。
避けた方がいい中古ドメイン
中古ドメインを選ぶ際はハズレを引かないことが重要です。誰だって高額な買い物でリスクは背負いたくありませんからね。
以下のような怪しいドメインを候補から除外して、その後で自分に合うドメインを探しましょう。
- 経歴が汚れている
- アンカーテキストが最適化されている
- ドメイン名に商標が含まれている
- 長く売れ残っている
経歴が汚れている


ドメインの評価は運用されていたサイトに引っ張られるため、サイトが低品質ならドメインも悪い評価を受けています。
Wayback Machineなどで過去の経歴を確認して、以下の目的で運用されていたドメインは候補から除外しましょう。
- スパムサイト
- ペラサイト
- アダルトサイト
- 中国・ロシア系
スパムサイト
スパムサイトに使われていたドメインはペナルティを受けていることがあります。
スパムサイトかどうかを判断する際は、Mozのスパムスコアも参考になりますよ。
アフィサイト
ペラサイトは主にブラックハットSEOで使われるため、ペナルティを受けている可能性があります。
そうでなくても、アフィリエイターは優良ドメインを手放しません。わざわざ手放したということは取得できるということは、ペナルティか出涸らしになったかのどちらかだと考えられます。
アダルト・ギャンブル
「アダルト」や「ギャンブル」自体が悪いわけではないのですが、これらのサイトに付く被リンクは低品質なものが多い傾向にあります。
そのため、基本的にはアダルトやギャンブル系のサイトに使われていたドメインはNGです。仮にアダルトサイトで使う予定でも、避けた方が無難でしょう。
ちなみに、どの販売サイトではアダルトは簡単に絞り込めるようになっています。


中国・ロシア語のサイト
中国やロシア語のサイトはスパム率が高いと言われています。(実際によく見かけますし)
仮に問題がないサイトだったとしても、言語が分からないと判別が難しいので避けた方が無難でしょう。
アンカーテキストが不自然


- 同じアンカーテキストが多すぎる
- アンカーテキストが最適化されている
- 文字化けしたアンカーテキストが多い
このような不自然なアンカーテキストがある場合は注意しましょう。ブラックハットSEOに使われていた可能性もあります。
ちなみに、もしあなたがこのようなアンカーテキストで自演リンクを貼っているなら、今すぐ修正することをおすすめします。自演リンクは不自然さを拭うことが大切ですよ。


ドメイン名に商標が含まれている


「rakut〇n」や「amaz〇n」のような商標が含まれているドメインにも注意が必要です。
こういったドメインは典型的なアフィサイトのもの。ブラックハットSEOに使われていた可能性もあります。
また、活用法次第ではトラブルにも発展しかねないため、できるだけ避けた方がいいドメインです。
長く売れ残っている
優良ドメイン・コスパの良いドメインというのは早く売れてしまうもの。逆説的に、長く売れ残っているドメインは質が悪いとも考えられます。
プロや先輩の審美眼を信じて、売れ残りには手を出さないという作戦もアリです。
狙い目の中古ドメイン
続いて、SEOの効果が出やすい・長続きしやすいドメインを紹介します。
ドメインを選ぶ際は、以下のような特徴があるかを確認しましょう。
被ドメイン数が多い


基本的にGoogleは被リンクを「数」ではなく「ドメインの数」で評価するため、被リンク元のドメインは分散されていた方がSEOで効果的です。
また、被リンク元のドメイン数(被ドメイン数)は、中古ドメインとしての持続力でもあります。
たとえば、被ドメインが1つだけだとします。その場合、たった一人の運営者にサイトがすげ変わったことを気づかれると、全てのリンクが外されて被リンクは0になります。
しかし、被ドメインが100あれば、100人の運営者に気づかれるまで被リンクは0になりません。中古ドメインに永続性を期待するのは間違いですが、少しでも効果を長持ちさせたいなら被ドメイン数にも気を配りましょう。



「被リンク数」ではなく「被ドメイン数」に目を向けましょう
権威性の高い被リンクが付いている
権威ある機関から被リンクを受けていると、信頼性が求められるジャンルでも有利に立ち回れるようになります。
ただし、その分価格は跳ね上がります。いずれは解除されてしまう被リンクでもありますので、財布と相談しながら慎重に判断しましょう。



バラエティやアダルトのジャンルなら必須ではありません
政府や公的機関
政府や教育機関、大学は特に権威性が高く評価されている機関です。
これらの機関からの被リンクは、SEOでも最も価値のある被リンクだとされています。(特に政府機関の .go.jp ドメイン)
Wikipedia
リッチリザルトやナレッジパネルにも利用されていたりと、Wikipediaは検索エンジンから最も信頼されたWEBサイトと言えます。
通常、Wikipediaからのリンクにはnofollowが付いていますが、それ以上に信頼を裏付けるものとして価値があります。
前サイトがしっかりと運営されていた証でもあるため、中古ドメインとしては評価される被リンクです。
ジャンルに関連性がある
中古ドメインにはドメインパワーだけでなく、検索エンジンからの評価も残されています。
そのため、ドメインと関連するジャンルでサイトを立ち上げれば、有利な状態でSEOを始めることができます。
立ち上げるサイトのジャンルが決まっているなら、以下のような「ジャンルに関連性のあるドメイン」を探してみましょう。
- 運用サイトが同ジャンル
- アンカーテキストが狙っているキーワード
- TLDが同ジャンル
運用サイトが同じジャンル
過去に運用されていたサイトが同じジャンルであるなら、そのジャンルのサイトから被リンクを貰っている可能性があります。
Wayback Machineなどで確認してみましょう。
アンカーテキストが狙っているキーワード
被リンクのアンカーテキストは、Googleがコンテンツを把握するための重要なヒントにされています。
極端な話をすれば、アンカーテキストにキーワードが入っていれば、そのキーワードで上位表示がしやすくなるということです。
被リンクを一覧で確認してみて、アンカーテキストに狙っているキーワードが入ってるか確認してみましょう。
公式サイト運営ドメイン
公式サイトで使われていたドメインには専門性のある被リンクが付いているので、E-A-T構築にも一役買ってくれることでしょう。
※トラブル回避のために商標名が含まれていないか確認しましょう
専門性のあるTLD(トップレベルドメイン)
TLD(トップレベルドメイン)とは、”.com” や “.net” といったドメインの末尾に付く識別子です。
まだまだ利用者は少ないですが、最近は “.cooking”(料理)や “.fishing”(釣り)といった専門サイトのためのTLDも多く作られています。
また、”.pro” という専門家が使うドメインもあり、それなりに権威・信頼のある専門家が使っている傾向があります。(このドメインから被リンクを貰っていればチャンス)
こういった特殊なドメインは専門性がある程度約束されているので、見つけたら自分のサイトとジャンルが合うか必ずチェックしましょう。
被リンクがトップページに集まっている
中古ドメインを購入したら、Redirectionなどを使って被リンクがあるページから現存するページへリダイレクトをかけます。
その際、リダイレクト先として選ばれやすいのがトップページです。トップページはサイト全体にリンクジュースを広く流すことができるため、被リンクを集中させるにはもってこいなんです。
トップページに100%集中みたいな極端なのはあまりよろしくないですが、かといって分散し過ぎているとリダイレクトに手間がかかります。
そのため、被リンクがトップページにある程度(80%以上)集まっているドメインを選ぶことをおすすめします。
wwwを利用していない
wwwのサブドメインで利用されていたドメインをwwwなしで使うと、中古ドメインとしてのSEO効果が薄くなってしまいます。
新しく使用する場合は、wwwのサブドメインで運用するか、wwwなしのドメインに統合・リダイレクトをしてやる必要があります。
手間がかかるというだけなので優先度は低いですが、できればwwwなしのドメインを利用するのがおすすめです。
まとめ:初心者は業者から
中古ドメインをうまく活用すれば、SEOでよいスタートダッシュを切ることができます。
しかし、中古ドメインは諸刃の剣です。場合によっては、大金をはたいて時間を無駄にしたなんてこともありえます。
初心者はドメイン選定で失敗しないためにも、中古ドメインの販売屋さんやアクセス中古ドメインを利用するのがおすすめです。