ページの表示速度が正式にSEOの評価項目に入った今、サイトの高速化はますます重要になってきています。
サイトを高速化する方法はたくさんありますが、その中でも「WP-Optimize」を使ったデータベースの最適化は有名ではないでしょうか?
しかし、WP-Optimizeの機能はそれだけではなく、表示速度を改善するありとあらゆる機能が詰め込まれているのです。ということで、今回はWP-Optimizeの有効的な使い方を紹介します。
WP-Optimizeでできること

WP-Optimizeは投稿のリビジョン(保存機能)や不要なデータを削除して、データベースを最適化してくれる「サイトの掃除屋」。
…というイメージで広く知れ渡っていますが、それはあくまでWP-Optimizeのいち機能。実際のところは高速化機能をたくさん携えた多機能プラグインです。
機能一覧
WP-Optimizeに搭載されている主な機能は以下の通りです。
- 不要なデータを削除してデータベースを最適化・軽量化
- 画像ファイルを一括で圧縮
- ページキャッシュ機能
- htmlやCSS,Javascriptの圧縮
※有料版は画像の遅延読み込み(Lazy Load)なども
このヤバさはプラグインに詳しい人ならすぐにわかるでしょう。
EWWW Image Optimizerの画像圧縮・WP Fastest Cacheのキャッシュ機能・Autoptimizeの圧縮機能、これらの高速化機能をほぼすべて網羅しています。
その上(公式の通りであれば)キャッシュ性能は最高クラス。有料プラグインの「WP Rocket」と同じくらいの性能なんだとか。

遅延読み込み(Lazy Load)に関しては有料ですが、WordPress5.5からはネイティブ Lazy Loadが標準装備されているので、なくても困りはしないでしょう。
※ネイティブ Lazy Load:ブラウザだけで完結するJavascript不要の遅延読み込み、適用条件はwidth,height要素を指定するだけ
導入するかはテーマ次第
WP-Optimizeは多機能であるがゆえに、導入に向いている人とそうでない人が分かれます。
たとえば有料WordPressテーマを利用している場合、キャッシュ機能や圧縮機能は一通りそろっていることも多いでしょう。その場合はデータベースの最適化さえできれば良いわけなので、WP-Optimizeの多機能さは持て余します。
データベースの最適化(不要なデータの削除)だけなら「Optimize Database after Deleting Revisions」が最もシンプルでおすすめです。
反対に、現在サイトの高速化機能がないテーマを利用しているなら、WP-Optimizeを導入するべきです。色々な高速化プラグインを導入するより、WP-Optimize一本にした方が管理も楽だと思いますよ。

高速化のある有料テーマを使っているなら、導入は少し考えましょう
WP-Optimizeの設定と使い方
それではWP-Optimizeを導入してみましょう。使いこなすのに癖があるうえ設定がややこしいので、導入前に一度バックアップを取ることを推奨します。


インストールと有効化
プラグインの「新規追加」から「WP-Optimize」で検索します。見つかったらインストールして有効化しましょう。


データベースの最適化
まずはデータベース最適化の設定をします。
ここを設定しておくことで、決められたスケジュールごとに無駄なデータを排除してくれるようになります。
サイドバーの「Optimize」から「データベース」をクリックしてページへ移動しましょう。


一般設定
データベースのページに移動したら、上部の「設定」タブをクリックします。
まずは一般設定から入力していきます。


ここでは最低限残すデータを設定できます。よく分からない人は画像の通りやれば無難な設定になります。
・直近「」週間分のデータを保持する
1週間か2週間にしておきましょう。
・Always keep 「」 post revisions
最低限残すリビジョンを設定できます。リビジョンを使わない人は0でも大丈夫ですが、私は念のため2つだけ残しています。
予約クリーンアップ設定


ここでは自動で行われるデータベース最適化のスケジュールと対象を設定できます。
基本的にはデフォルト設定のままで大丈夫です。ブログの更新頻度が高い人はスケジュールタイプを「毎日」に設定しても良いかもしれません。
ここまで終わったら設定を保存をクリックしましょう。
手動で最適化する
上記の設定さえしておけば決められたスケジュールで最適化が行われますが、手動で最適化することも可能です。
上部の「最適化」タブをクリックしてページを移動。
最適化したい項目にチェックを入れて、選択したすべての最適化を実行するをクリックすれば、データベースの最適化が行われます。(個別に行うことも可能です)


ちなみに、ページ上には次回の自動最適化の日程が表示されています。また、どれだけ不要なデータが溜まっているかも確認できるので、自動化に任せている人もたまには覗いてみてください。
画像の圧縮
画像の圧縮は上部にある「画像」タブをクリックした先のページから設定できます。
圧縮の設定


設定する項目は、赤枠で囲った二つです。
※有料版では使われていない画像の確認と遅延読み込み(Lazy Load)も設定できます。
・新しく追加された画像を自動的に圧縮する
ここにチェックを入れると、今後追加した画像を自動で圧縮してくれるようになります。
・圧縮設定
画質優先かサイズ優先かをある程度調整できます。どれぐらいの差があるかは、下にあるリンク先の記事でサンプルを確認できます。
既存の画像を圧縮する
ページ下部では既に追加されている画像ファイルを圧縮することができます。
やり方は簡単、圧縮したい画像を選択して選択した画像を圧縮するをクリックするだけです。全ての画像を圧縮する場合は左上の「すべてを選択」してから圧縮しましょう。


キャッシュ機能
キャッシュはページ上部の「キャッシュ」タブから設定できます。
ここでは最低限設定しておくべき項目だけ紹介します。
ページキャッシュの設定
まずはページキャッシュの設定から。
ここは「ページキャッシュを有効化」をオンにするだけで大丈夫です。


「キャッシュ設定」では、モバイル用に別ページを表示するなどの設定も可能ですが、AMPなどと同じで非常に管理が面倒です。上級者向けの設定なので分からないなら無視しましょう。
Gzip圧縮
Gzip圧縮とは、HTMLファイルを圧縮してユーザーとサーバー間のやり取りをスムーズにする圧縮方式です。
Gzip圧縮が標準装備されているサーバーは多いので、無理にオンにしなくても大丈夫です。ちなみに、XサーバーはGzipより圧縮率の高いBrotliが最近採用されました。
(参考:gzipより圧縮率の高いBrotliをエックスサーバーで使う)


画面真ん中の有効化をクリックすればGzip圧縮が有効になります。デザインが変わらないなどの問題が出た場合は、ここをオフにしましょう。
赤字でエラーが出て有効化できない場合は、テーマやサーバーとの競合が考えられます。その場合は触らず放置しましょう。
Minify(圧縮・軽量化)
Minify(ミニファイ)とは、コード内の不要な改行やインデントなどを削除して圧縮・軽量化することです。
WP-OptimizeではHTML・CSS・JavaScriptのMinifyができます。
Minifyをオンにする
ページ上部の「Minify」をクリックしてページへ移動。
「圧縮を有効化」をオンにすれば設定は完了です。


下の項目ではHTML、JavaScript、CSSを選択して個別にオン/オフが切り替え可能です。
※表示が崩れる場合はCSSかJavaScriptをオフにしましょう



色の変更が反映されない時はCSSのMinifyをオフにしましょう
また、今回は省略しますが、フォントの欄から読み込むWEBフォントの設定なども切り替えられます。特別設定しなくても問題ありませんが、WEBフォントやFontAwesomeなどを使っている人は一応覗いてみてください。
まとめ
以上、WP-Optimizeを使ったサイトの軽量化でした。
非常に優秀なプラグインなので、Page Speed Insightsのスコアを少しでも改善したいなら導入しましょう。
ただし、サーバーもテーマも良いものを使用している人は持て余すかもしれないので、その際はOptimize Database after Deleting Revisionsを使ってみてください。データベースの最適化自体は必要なことですからね。